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研修会&講座のお知らせ

平成26年度 第1回学術講習会報告2014.04.13

平成26年4月13日(日)
平成26年度 第1回学術講習会報告
主催 :(公社)大阪府鍼灸師会 共催:(公社)日本鍼灸師会 
会場:森ノ宮医療学園専門学校

報告①:「日本型統合医療における医師との連携」 ~医療連携ツールとしての鍼灸師のための電子カルテ~
講師:一般社団法人 日本統合医療センター  代表理事 織田 聡 先生
☆統合医療には、コーディネートとマネージメント
 統合医療は、患者が望む医療選択(意向)からスタート。次に、選択した医療の情報を収集。患者の環境・価値観(宗教、社会、文化、経済)、医療者の経験など検討して、利用性、可能性を探り、患者に適用するかをコーディネート。患者の現在の病状に対してマネージメント。その結果をフィードバック。統合医療の診療理念は、EBM理念とほぼ同じ。
☆EBM(Evidence Based Medicine) エビデンス(科学的根拠)に基づいた医療。
 EBMの要素:①エビデンス②患者の意向・価値観③医療者の経験④理論
 統合医療におけるEBMは、ステップ1「疑問の定式化」⇒ステップ2「情報収集」⇒ステップ3「情報の批判的吟味」⇒ステップ4「情報の患者への適応」⇒ステップ5「ステップ1~4のフィードバック」
 ステップ5の再評価は、マネージメントに関わる特別な過程。ステップ4の治療効果の客観的評価が、施術技術の向上、エビデンス構築につながる。
☆統合医療医は、コーディネーター
 西洋医学と補完代替医療の双方に精通している「医師」が、双方の医療と患者の橋渡しの役割を果たす。例えば、患者が西洋医学の治療のみを選択しても、統合医療である。
 医師の責任監督のもとに、自由診療(施術)への紹介点数を設けるのも一案。それが市場構造改革となり、開業医との連携、セルフケア、ウエルネスにつなげられると、織田先生は語る。
☆鍼灸師に要求されること
①治療室の閉じた世界は許されない
②最低限の病態知識の習得は、連携をするためのコミュニケーション
③他の補完代替医療に批判的寛容
☆鍼灸統合医療支援システム
 統合医療におけるチーム医療のコミュニケーションツールとしての鍼灸師用電子カルテ。タブレット端末で、患者自身がカルテ入力を手伝い、VAS(Visual Analog Scale)、自他覚所見、使用経穴の選穴、手技など簡単選択タッチ入力。オンライン予約システム。クラウド*利用による治療院、医師、大学、学会、業界団体などの連携、大規模臨床研究も可能となり、エビデンスにも繋げられる。大阪でもセミナー開催。詳しくは日本統合医療支援センターのホームページで。http://jscim.or.jp/main/
 *クラウド:データを自分のパソコンや携帯端末などではなく、インターネット上に保存する使い方、サービスのこと。自宅、会社、ネットカフェ、学校、図書館、外出先など、さまざまな環境のパソコンや携帯端末からデータを閲覧、編集、アップロードすることができる。                       (研修委員会 委員 井尻 志郎)
報告②:「男性更年期障害に対する 鍼灸治療」
講師:明治東洋医学院専門学校 講師 京都府立医科大学大学院 客員講師 本城 久司 先生
 
 男性更年期障害は加齢、ストレス、男性ホルモン(テストステロン)の低下などが原因で生じる。男性ホルモンは性機能に深く関連し、代表的な症状に勃起障害がある。また、男性ホルモンは記憶力などの認知機能や、筋力などの身体機能にも関わっており中高年男性の抑うつ感や疲労感などの精神症状は「ストレスによるもの」ばかりとも言えない。
【男性更年期の症状】  
 疲労感・憂うつ・不安感・不眠・集中力低下などの精神神経症状、のぼせ・ほてり・手足の冷え・動悸・発汗などや、めまい・耳鳴り・手足のしびれなどの心血管系症状、感覚器症状、自律神経失調症状、また筋力低下や運動能力低下、そして勃起機能低下や精力減退などの勃起障害(ED)と様々な症状がある。
【勃起障害(ED)について】 
 性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないため満足な性交が行えない状態をいう。(勃起障害だけを言うのではない)
 血管や神経の障害で起こる器質性ED、精神的ストレスで起こる心因性ED、混合型ED、薬剤でおこる薬剤性EDに分類される。
(※「インポテンツ」という表現は、人格否定用語のため、現在では使用されていない)
○EDは心血管疾患の前兆!
【男性更年期障害の治療】 
 テストステロンが低値症例には男性ホルモン補充療法が中心。その他、抗うつ薬、EDへの治療、仕事や家庭での役割の再検討、カウンセリングなどが行われている。
【男性更年期と鍼灸治療】
○EDに対する鍼治療においてPDE5阻害剤(バイアグラ、レビトラなど)を併用した仙骨部鍼治療は有効である。 
○男性更年期症状を呈する加齢男性性腺機能症候群(LOH症候群)に対して男性ホルモン補充療法との併用が必要。
○男性更年期障害に対する治療戦略には精神症状を考慮したサポートが必要。
【男性更年期への対処法】
 テストステロンは身体機能および認知機能に重要な役割を果たす!
⇒ テストステロンを上げるには社会的・精神的なストレスを減らし、適度な運動・十分な睡眠・バランスの良い食事、節酒が重要!
○男性の健康を握っているのは女性!~ 女性の家族は、男性を褒めて!(特に朝だと効果があるそうです)~
(研修委員会 委員 金田 暁美)