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研修会&講座のお知らせ

平成26年度 第2回学術講習会報告2014.05.11

平成26年5月11日(日)
平成26年度 第2回学術講習会報告
主催 :(公社)大阪府鍼灸師会
会場: 大阪府鍼灸師会館 3階

報告①:「体幹トレーニングの活用法」
講師:(一社)兵庫県鍼灸師会常務理事 みなと神戸鍼灸院  院長 吉田 克典 先生
(一財)日本コアコンディショニング協会B級講師の吉田克典先生は、体幹を鍛えられているだけに、姿勢も体格もとても良く、生の声が会場の後ろまで響き渡るほどでした。
 今回は「一人でも多くの患者さんの笑顔づくりのために」「本当に困っている部分を見つけ出す」ツールとして、「体幹トレーニングを使って」臨床で生かせるスパイスを持ち帰り、そして出席者がしっかりと2本足で立つ感覚を取り戻して頂く事を目標に、実習を交えた楽しい講義になりました。
 「体幹トレーニング」には、「地味で耐えて苦しい」というイメージがありますが、全く違って「しっかりと自身の身体を感じて、観ることを大切にし、そこから感動を生むこと」だそうです。
 そこで、自分自身で体感してみると、足裏感覚・足の軽さ・身体の回旋・側屈のやり易さに、左右でかなりの差を感じました。
 人間の基本機能である二足直立歩行のデメリットに、①腰痛になりやすい②内臓下垂③難産になりやすい④バランスが悪く転倒しやすいことが挙げられます。
 よって二足直立歩行をするために必要不可欠である体幹、とくにインナーユニット(腹横筋・横隔膜・骨盤底筋群・多裂筋)トレーニングが大切であるといえます。
 体幹トレーニングは、お母さんのお腹の中にいた胎児の状態から、生まれた赤ちゃんが歩行するまでの成長過程と同じようにトレーニングが構成されていて、トレーニングにより省エネで身体が動かせられるようになると、楽に生活ができるようになります。   
 ヒトの動きにはパターンがあり、この動きに関わりがあるのが関節で、関節にはスタビリティ関節(固める要素が強い関節)とモビリティ関節(動かす要素が強い関節)があり、関節の動き方を観ることで動きの原因を探ることができます。また、姿勢を観ることで、どの関節が原因になっているかの判別ができます。例えば、寝違えの時には、首に原因があるのではなく、胸椎の第3から第4番目に硬くなっているところをほぐすと効果が良いなど臨床で活かすことができます。
 最近では、出産経験のある女性の2人に1人は尿失禁を経験しているという事実もあり、体幹トレーニングで骨盤底筋群のトレーニング実習を行いました。「ひめトレポール」という柔らかい棒を使い、腹式呼吸で6種類ほどのトレーニング方法を指導して頂きました。
 「ひめトレポール」を使うことで、大脳の支配領域の骨盤底筋群が支配する領域が狭く、筋の収縮している感覚がわかりにくいのが、この「ひめトレ」に座ることで、骨盤底筋群が軽く押し上げられ、骨盤底筋群の収縮が明確に自覚でき、骨盤底筋群が適度な圧迫を受けストレッチになります。
 このトレーニング前に腹囲を紐で計っておくのですが、吉田先生の経験ではトレーニング後、高齢のぽっちゃりしていた女性患者さんの腹囲が14センチも減ったそうです。
 また、はじめに自分自身で体感し、足裏感覚や回旋・側屈のやり易さにとても差を感じておられた先生方が多かったのですが、トレーニング後は大体、左右のバランスが整ったのではないでしょうか。
 臨床では鍼灸治療後、もう少し良くしたいと思った時に患者様へ指導されるそうですが、五十肩なのにゴルフに行きたがる患者さんに体幹トレーニングをして頂くことで、ゴルフプレー前のウォーミングアップになり、ボールの飛距離も良くなったと喜んで頂けたそうです。
 自分自身の身体の「体感」と「体観」を感じて、「感動」できれば「笑顔」になれる。その通りだなぁと感動しました。
 「老いは足元から」とも言いますし、鍼灸治療とともに体幹トレーニングの指導ができれば、腰痛や内臓下垂の予防にもなり、転倒防止にもつながり、東洋医学でいう「未病」をより強化できるひとつのツールだと実感できました。是非、臨床に活かしたいと思います。
                          (研修委員会委員 思川 裕子)
報告②「鍼灸ボランティアに役立つスポーツ・テーピング」
講師:(公財)日本体育協会公認アスレティックトレーナー
     帝京平成大学現代ライフ学部 准教授 奥河 清 先生
講義のポイント:
◆knee-in&toe-outで発生しやすい外傷
1鵞足炎 
2膝MCL損傷 
3外側半月板損傷 
◆シンスプリントの原因:オーバーユース(使い過ぎ症候群)
①後脛骨筋(脛骨後部の面に沿って付着)の付着部が刺激される⇒骨膜炎 
②後脛骨筋付着部での肉離れ 
③脛骨と腓骨の遠位の骨間膜への刺激 
④フォーム(走り方)・つま先が外側を向く(toe-out:knee-in)・脛骨の捻り
⑤アーチの低下
実技:
◆シンスプリントのテーピング
①下腿後内側の筋を脛骨に押し付ける(筋の動きを制限)
②脛骨内側面から筋を引き離す
◆アーチのテーピング 
まとめ:
 今回の講習は学生の参加が多かったようです。特に1年生2年生が多く、終了後も質問者が後を絶たず・・・といった感じでした。本会の事業でも数多くのマラソンボランティア活動を実施しているので、参加者全員が共通の知識を持って携わっていくこと、また正しい知識を身に付けることの大切さを学んだ気がします。
(普及啓発委員 普及啓発担当 永澤 至子)