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研修会&講座のお知らせ

平成26年度 第4回学術講習会報告2014.07.06

平成26年7月6日(日)

平成26年度 第4回学術講習会報告

主催:(公社)大阪府鍼灸師会

会場:明治東洋医学院専門学校

 

報告①:「地域との連携の実際」 

講師   :社会福祉士  森 恵子 先生

 ソーシャルワーカーは、地域社会において、経済的、身体的理由により、生活に行き詰まった生活困窮
者を国や自治体の制度を利用して安定した生活を送れるように相談にのり、支援する者をいう。入院中の
相談や退院後の社会復帰や公的な機関への連絡、学校や職場、地域ボランティアなどと「連携」を図り、
その人の支援の
ために、あらゆる社会的・人的資源を活用する。

 一方、ケアマネジャー(以下ケアマネ)は、65歳以上の高齢者で身体的理由などから自立した生活が困
難な場合、在宅での安定した生活を送るために介護保険や健康保険を利用し、時にはボランティアなど社
会的・人的資源をも活用してその人を支援する。一人の利用者にはかかりつけ医、訪問看護師、ヘルパー
、福祉用具専門相談員などの色々な専門職の者がチームとなって支援に当たっている。ケアマネはその利
用者に必要なサービス計画を立てる際に、多くの情報の中からいくつかを選択する。利用価値の高いもの
は、人気のサービスになるので多くのケアマネが各々の担当している利用者の計画書に組み込むことにな
る。ケアマネは常にアンテナを張って、最新の情報を探している。利用者に活用できるものはすすんで使
う。またケアマネ同士も情報交換は常に行なっているので、いいものと分かれば広がりも早いという。ケ
アマネは情報の発信者でありかつ情報網を持っている。現状では、鍼灸マッサージ師の使われ方としては
「訪問マッサージ」が広く知られ連携をとっているという。

 ケアマネジャーの85%は社会福祉士で、医療の知識は学習されて来なかったのが現状である。ケアマネ
と話をする時には、医療知識に乏しいからといって、どうか上から目線で見ないで欲しい。連携していく
ためにそのことを心得て頂きたいと強調された。

 現在、医療と介護が連携する地域包括ケアシステムがすすむ中、やはりケアマネとの繋がりは重要だろ
う。大阪府鍼灸師会としても「介護予防認定鍼灸師制度」をスタートさせた。師会の方からも各地域の地
域包括やケアマネ連絡会などを訪問して鍼灸の可能性をアピールしていくことにしている。是非とも認定
を受けて、より多くの連携を作れるように準備しておくべきだろう。(研修委員 賀来 祥克)

 

報告②:「コーチング」

講師   :NPO法人 Fine 松本 亜樹子 先生

 我々、鍼灸師にとっても大切なスキルのひとつであるコミュニケーション能力をテーマに「コーチン
グ」について講演して頂きました。

 "コーチング”とは、対話によって相手の自己表現や目標達成を図る技法で、人材育成・子育て・仲間
づくりなどの現場で活用されています。

 「そんなこと言ってないのに・・・」「そんな意味で言ったんじゃないのに・・・」「わかりまし
た」って聞いたのに・・・。職場や家庭などでよくこんな場面に遭遇しますが、こういったミスコミ
ュニケーションを避けて、上手なコミュニケーションを行うためには…伝える意図を明確に持つ。

 Step1 フィルター(五感・知識・経験・価値観)を意識する

 Step2 よく観察する

 Step3 やり方を変える

  ティーチング…目指すところは「わかる」(教える、伝えるのが役割)

  コーチング …目指すところは「できる」(引き出す、育てる、伸ばすのが役割) 

 ①傾聴-しっかり受け止め

 ②承認-さまざまな場面で認めてあげる(なかでも存在承認が重要!)

 ③伝える-相手が受け取りやすい形で

 ④フィードバック-気づき

 ⑤質問-クローズド、オープンクエスチョンの使い分け
 

 一見、簡単そうに見えて難しいコミュニケーション。誰もが「えっ!」「なんで!」と思うようなこと
を経験しているはずです。まして相手が患者さんであれば、ミスコミュニケーションが即、信頼関係を失
ってしまうことになります。まずは、自分目線から相手目線に意識を変えるだけでも少し変化があるので
はないでしょうか。 今までの講習会ではあまり取りあげてこなかった内容ですが、鍼灸師にとって重要
なスキルの一つだと感じ、有意義な講演でした。

*NPO法人 Fine(ファイン)・・・不妊体験者の支援を目的に設立された患者団体 http://j-fine.jp/   
 
(研修委員 荒木 善行)

報告③:「訪問看護について」

講師   :(公社)大阪府看護協会 教育研修部 雨師 みよ子先生

我々鍼灸師にとって、これまであまり馴染みの無かった訪問看護について話を聞く機会を得て、参加して
きました。

訪問看護とは?と言う初歩の話から、その現状、実際、制度、課題、について分かりやすく、説明頂き
ました。

1.訪問看護とは

 ① 訪問看護と言っても、健康保険法によるそれと、介護保険法によるものの2種類あり、どちらもその
  者の居宅において行われる、療養上の世話又は必要な診療の補助のこと

 ② 利用については、健保では患者、主治医、訪問看護ステーション。介護保険での利用は、健保のそれ
  にプラス居宅介護支援者でプランを立てる。

2.施設内看護との違い

 ① 訪問看護ステーションに医師はいない。

 ② かかりつけ医の指示書により看護を提供。

 ③ 厚生労働大臣が定める疾病等と介護保険特定疾病(16)につき利用可能。

3.現状

 ①看護職員5人未満の訪問看護ステーションが全体の約6割。

 ② 事業所の規模が小さいほど収支の状況が悪い。

4.課題

 ① 訪問看護師一人で看護提供するので、第三者の目が届かない。

 ② 看護技術、質の確保が求められる。

 また、複数名の職員(保健師、助産師、看護師、PT,OT,ST,准看護師)が同時に訪問を受けた利用者が
いたと言うこともあった。

 我々の業界も、今後益々厳しい時代を迎えるに当たり、何か?と考えるにあたりこの分野に何とか入れ
たらと思い講習会を終えました。当然これまでの伝統的な治療を基礎において、新たな分野に目を向ける
良いきっかけに成ったことは言うまでもありません。幸い今年から、我が大阪府鍼灸師会の、介護予防鍼
灸師登録制度が始まり、多職種恊働と言う意味でも感慨深いものでした。仕事が暇だとぼやく前に次ぎの
一歩を踏み出してみようと反省するしだいです。(研修委員 中川 欣久)