学ぶ

HOME » 学ぶ » 素問 » 素問勉強会報告

素問

素問勉強会報告2014.06.08

日時:平成26年6月8日(日) 

会場:大阪府鍼灸師会館 3階  

講師:日本鍼灸研究会代表 篠原 孝市 先生

・『医道の日本誌』2014年6月 臨床に活かす古典 「NO.26 腹診」のお話から

 四診の概念の切診というのは脈診のことである。腹診や舌診は含まれない。腹部に関する所見というの
は中国の古典の『素問』や『霊枢』あるいは『傷寒論』に出てくる。心下痞満や胸脇苦満のように出てく
る。ただ診察のカテゴリーという意味では、腹診というのが診察のカテゴリーになることは無かった。日
本の中世の時代、室町時代から鍼をやっていた人たちの中で腹部の診察をやっていた伝統みたいなものが
有って、鍼灸の部分では御薗意斎の意斎流とかに受け継がれる。もう一つは古方派の腹診で、意斎流や夢
分流は五蔵の診察というものを中心にしているが、五蔵の部分を抜いて胸脇苦満のように腹部の所見や、
胸、それから背中の所見、そういう部分を全部取り入れて、しかもそれを『傷寒論』の中で使われている
ような言葉で表現している。そういう風な形で江戸時代の末に至るまで腹診は段々発展したというのが全
体像だと思いますね。腹診という名が定着するのは江戸時代の中期ですから1700年代にはいってからです
ね。それまでは按腹とか診腹とか候腹とか、そんな風な表現で使われていた。腹診の伝統が中国におよぶ
のは、清の時代の終わりごろに日本の腹診書『診病奇侅』が中国語に訳され刊行された1880年代以降です
ね。それで段々中国でも定着したというようなものだと思います。

・六元正紀大論篇第七十一 第十三章~第十五章

・厥陰風木が司天の年の1年間の六気の順 【毎年変わるもの】 

(初の気)陽明燥金⇒(二の気)太陽寒水⇒(三の気・司天)厥陰風木⇒(四の気)少陰君火⇒(五の
気)太陰濕土⇒(終の気・在泉)少陽相火⇒次の年の初の気へ

・固定された六気の順 【毎年変わらないもの】

(初の気)厥陰風木⇒(二の気)少陰君火⇒(三の気)少陽相火⇒(四の気)太陰濕土⇒(五の気)陽明
燥金⇒(終の気)太陽寒水⇒次の年の(初の気)厥陰風木へ

[第十三章] (三の気・司天)に厥陰風木がくる年は、巳(シ,み)と亥(ガイ,い)の年。 その内の
少角(木運不及)の年は丁巳(テイシ)丁亥(テイガイ)の年。清熱勝復同じ。清(金運)と熱(火運)
が盛んになったり、それを抑えたりする。少角(木運不及)は、金が盛んになって木を尅すという状態が
出てきて金の働きがある清が出てくる。金があまりにも強くなると木が完全に抑えられるので火の働きが
ある熱が出てくる。火尅金となる。少徴(火運不及)は癸巳(キシ)・癸亥(キガイ)の年。寒雨勝復同
じ(火をめぐって水と土2つの気が起こる)。少宮(土運不及)は己巳(キシ)・己亥(キガイ)の年。風
清勝復同じ(土をめぐって木と金2つの気が起こる)。少商(金運不及)は乙巳(イツシまたはオツシ)
・乙亥(イツガイまたはオツガイ)の年。熱寒勝復同じ(金と火と水)。 少羽(水運不及)は、辛巳
(シンシ)・辛亥(シンガイ)の年。雨風勝復同じ(水と土と木)。

[第十四章]  初の気(今の1~3月ごろ)は、陽明燥金の影響で寒くなる。二の気(今の3~5月ごろ)は、太陽寒水の影響で非常に冷たい。春なのにいつまでも寒い。三の気(今の5~7月ごろ)は、やっと厥陰風木の司天の気というものが十分に働き、風が巻き起こる。四の気(今の7~9月ごろ)は、少陰君火の影響と、毎年変わらないものである太陰濕土が加わり熱と湿の状態が出る。蒸し暑い。五の気(今の9~11月ごろ)は、太陰濕土の気が、毎年変わらない六気の陽明燥金に乗っかるので湿と燥という相矛盾した状態が起こる。暗く曇って、陽明燥金の気が働くとともに太陰濕土の気も働くので寒さが段々体に及んでくる。終の気(今の11~1月ごろ)は、少陽相火の熱の気が、この時期を支配する。本来は寒い時期なので蟲は隠れていないといけない時期なのに、熱の気の働きから出てくる。

[第十五章] 五運が大過であれば早めに季節がやってくる。五運が不及であれば遅れてやってくる。

  (素問勉強会世話人  松本政己)