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素問

素問勉強会2014.07.13

日時:平成26年7月13日(日) 

会場:大阪府鍼灸師会館 3階  

講師:日本鍼灸研究会代表 篠原 孝市 先生

・『医道の日本誌』2014年7月 臨床に活かす古典「NO.27 選経」のお話から

 『素問』とか『霊枢』では、施術の対象がのちの時代の鍼灸書みたいに、経穴を対象にしたもの、或い
は経穴部位を対象にしたものだけではなくて、経脈へ直接施術するという内容が出てきます。あるところ
では、例えば〈足の陽明経〉を刺すと、そういう風に経脈の名を挙げて、そこに治療しなさいと書いてあ
るところがあるかと思うと、片方では〈風池〉を刺すというように、つぼの名前が出てくる。

最近の研究では、もちろん経脈というのが古くて経脈の後に経穴が出てきたということである。経脈の上
に穴(けつ)を設定したということであり、穴と穴をつないで経脈を作ったわけではないということがあ
る程度わかっています。

『明堂』が出てきて、そして『難経』が出てきて、特に『明堂』が出てきた段階で、もう治療はつぼを使
うんだということになったんだろうと思いますねえ。つぼを使いながら副次的に、このつぼは肺の経脈に
所属しているから、みたいな感じは有ったかもしれませんけど。ただ『難経』の五要穴の方は、手足の経
脈に非常に密接に関係が有りますので、この五要穴に使う側で経脈の意識、経脈を選ぶ、経脈を使うって
意識が残っただろうという風に思っております。

・六元正紀大論篇第七十一 第十六章~第十八章13節より 

(第十六章から講義内容を抜粋)
 帝がいわれる。「(一年間は)司天と在泉で六つに分かれる。それが循環して繰り返していくとはどう
いうことか」 
 岐伯が答える。「詳細な問いかけですね。これは明明白白な天地運行の道理です。一年間の前半分は司
天の気がつかさどり、一年間の後半は在泉の気というものが、これをつかさどっています」(*大寒(1月
20日ごろ)から立秋の15日前(7月23日ごろ)を一年間の前半とする) 「司天の気と在泉の気が入れ替わ
るという形で混じり合います。一年間を2か月ごとに六つに分けたものが、六つの気によって動かされてい
ます」 
 帝がいわれる。「私は、司天の気と在泉の気というものが途中で入れ替わりながら一年間を支配してい
るということを把握している。その法則性に則って生活をしたり必要な薬剤を投与したりということをし
ている。しかし六気のことを知っていてもその通りにならない。(*たとえば厥陰風木の時期に風の自然
現象がおこらないことがある)それは何故なのか」 
 岐伯が答える。「氣用に多少有り。(一年間の初の気~終の気の)六気の作用には多かったり少なかっ
たりの変化があります。化洽(かこう)に盛衰有り。固定された六気(主気)と毎年変わる六気(客気)
というものが一緒になって影響し合ってそして盛衰というものを起こします。その時の気のありかたは変
わりません」(*六気の一つ一つの時期のあり方というのは大過不及とか盛衰とかはあるにしても、基本
的には太陽寒水ならば寒水、太陰濕土なら湿土というように名称についているとおりの気の変化となる) 
 がいわれる。「その時の気のあり方が変わらないとはどういうことか」
 岐伯が答える。「風温は春の化と同じ。風、ものを動かしたりものを発生させたり、温、気温が上がる
がまだ熱まではいかない状態がどの季節においても働いたら、それは春の化つまり木の気の働きというも
のなのです。熱曛昏火(ねつくんこんか)は夏の化と同じ。熱くて蒸された状態、火熱が盛んな状態は夏
の化の働きによるものです。 
 燥清煙露(そうせいえんろ)かわいたり、つめたかったり、霧や霞と露それが秋の化、金の気の働きと
いうものなのです。 
 雲雨昏暝埃(うんうこんめいあい)は、長夏の化と同じ。雨や雲が多くて暗くて濁っているという状態
は、長夏の化、土の気の働きによるものです。(*雲とか雨とかは湿土の働きによるもの) 
 寒氣霜雪冰(かんきそうせつひょう)は冬の化と同じ。寒さ、霜、雪、氷それは冬の化、水の気の働き
によるものです。こもごも用いる盛衰の常なり。特定の気というものが支配される時期が有ってその時期
に別のものが作用することによって盛んになったり衰えたり気のあり方というものが変化いたします」
(*各季節にたとえば厥陰風木の季節には春の化というものが行われる。しかし春の化が行われる時期に
これと相反する気が加わるとそれらがそれぞれ作用して、その気の働きを大過にしたり不及にしたりする)

                         (素問勉強会世話人  松本政己)