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研修会&講座のお知らせ

平成26年度 第10回学術講習会報告2015.02.08

平成27年1月11日(日)
平成26年度 第10回学術講習会
主催:(公社)大阪府鍼灸師会 

会場:明治東洋医学院専門学校

講演①「DMAT-災害医療における多職種連携の可能性について-」
    講師:独立行政法人災害医療センター  小早川 義貴 先生

 今回は、災害時における医療活動の内容と、チーム医療における多職
種連携について、独立行政法人 災害医療センター(東京都立川市) 
近藤 久禎先生にご講演いただく予定でしたが、近藤先生に急遽予定が
入り、同じく災害医療センター「福島復興支援室」の小早川 義貴(こ
はやがわよしたか)先生に代講していただきました。
 小早川先生はとてもフレンドリーな雰囲気を醸し出しながら、分かり
易い講演をしてくださいました。先ずは、阪神大震災の反省を活かして
DMATが発足した経緯と、その活動内容のご紹介。又、その後の災害
に対応した経験からDMATの活動内容が変遷してきた状況、特に東日
本大震災による反省点から、今後の課題を多々ご説明いただきました。
その中で、印象に残ることを述べます。
 1点目は、災害(医療)というと多くの方が多少の関心はあるにせよ、
他人事として自分には降りかから無い事と勝手に思い込んでおり、
被災
してから、まさか自分がこのようなことに巻き込まれるとはと、思
い知
らされることです。 
 つまり、いつ来るか分からないけれど、近いうちに発生するであろう
と予測されている災害に対して、或いは自身で情報収集した結果対処す
べき災害に対して、どのような準備をしているか否かで、結果に大差が
出るであろうことは明白だと思いませんか!
 大阪府鍼灸師会でも災害対策委員会を立ち上げ、有事に備えるべく準
中です。是非皆様も、今後開催される災害研修にご参加いただき、ご
力ください。
 2点目は、小早川先生は救急救命を専門とするドクターですが、災害
時において普段からお付き合いの無い職種との連携は難しかったと言う
ことです。つまり、普段から地域において出来る限り医療にかかわる多
職種の方と連携をとった活動ができているかどうかが災害時の医療活動
に重要となるのです。
 3点目として、支援に行くことが災害医療の目的だと捉えている方も
多いのですが、所属する地域や団体のハザードを減らしていく活動も大
切であるということです。
 例えば大阪府鍼灸師会でしたら、災害時に機能する連絡網(携帯メー
ル等)の確立や避難場所の設定、災害時マニュアルの作成等となります。
最後に、有資格者における特徴として、その専門分野で役に立ちたい
と考えすぎるところがありますので、専門職以外のニーズに如何に対応
できるかということも認知しておく必要があるということでした。
 「気いつけや あんたのことやで そのバッグ」という、ひったくり防
止の標語をよく耳にしますが、最後の言葉を「すぐ来る地震」とか「津
波」「水害」等に置き換えると、なんとなく用心しなければと思われま
せんか。今後の情報発信には、細心の注意をお願いもうしあげます。
(研修委員会委員長 堀口 正剛)

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講演②「間質性膀胱炎について」
    講師:泌尿器科上田クリニック院長
       NPO快適な排尿をめざす全国ネットの会             
                 上田 朋宏 先生

 頻尿や尿失禁で困っていて、おむつをしっぱなしに放置されている高
齢者を数多く診てこられた上田先生は、なんとか解放してあげたいと、
京都の音羽会病院で熱心に取り組まれ、その結果、間質性膀胱炎の存在
に気づかれたそうです。しかし日本の医学会にはなかなか理解してもら
えない。そこでアメリカへ渡って研究し成果を発表され、日本でやっと
認められてきたそうです。
 排尿は自律神経でコントロールされています。
 ●尿を出すのは副交感神経。 
 ●尿を貯めるのは交感神経。
 ●尿を止めるのは随意筋。
 急性膀胱炎は、頻尿・排尿痛・尿混濁が三大特徴です。特に排尿痛は、
終末排尿時に多く見られます。これは大腸菌の感染によるもので、抗生
剤が処方されます。
 一方の間質性膀胱炎は、蓄尿時痛、すなわち尿を溜める「蓄尿時」に
膀胱壁が伸びきらず、膀胱壁から尿道でない方に浸み出ていく時に痛み
が出る、いわゆる「膀胱痛」を呈します。

 間質性膀胱炎の主な症状は、頻尿、尿意亢進、尿意切迫感、膀胱痛、
骨盤痛などで、細菌性膀胱炎と異なり、尿に細菌はいませんから、抗生
剤は効きません。
膀胱炎様の症状を繰り返し起こす場合は気を付ける必要があるようです。
 患者さんへは以下のように説明、指導されています。
 「尿は腎臓で作られ、膀胱に運ばれます。200~300mlほど溜まると、
尿意を催して排尿します。終わったら、膀胱はまた次の尿を溜め始めま
す。この繰り返しで、不要な物質を体外に捨てているのです。しかし、
間質性膀胱炎の場合は、不要な物質を含んだ尿が、何らかの理由で自分
の膀胱壁から浸みて炎症を起こしていると考えられています。」
 膀胱壁が硬くなっているので残尿を超音波検査で調べ、自己導尿を指
導するそうです。
 平成25年4月にも「排尿障害と向き合うために」の講演をしていただ
きました。そして鍼灸院にも、気づかない患者さんが来院され潜在して
いるかも知れません。一緒に研究をしませんか?と聴講者に声をかけて
頂きました。そのお言葉に元気を頂いたことから、明治国際医療大学
(当時)の本城久司先生にご相談し研究会のご指導を頂き、その成果は
27年1月号のフレッシュに「過活動膀胱の有病率」として掲載致しました。
                 (学術委員会委員長 三木 完二)