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素問

3月素問勉強会2015.04.10

●日 時:平成27年3月8日(日) 
●会 場:大阪府鍼灸師会館3階   
●講 師:日本鍼灸研究会代表 篠原 孝市 先生

◆『医道の日本誌』2015年3月 臨床に活かす古典 
 「№35 九
鍼」のお話より

 九鍼の記述は『霊枢』という書物の、『九針十二原篇第一』『九針論
篇第七十八』『官針篇第七』この3つにだいたい分かれて
書かれている。
『九針十二原篇』の文章が一番古くて、この文章に対し
て後の時代に注
釈や解釈が書かれたというもの、あるいはもう少し理解
しやすい形に書
き改めたというのが『九針論篇』や『官針篇』であろう
と思う。
 九鍼の並び方は、一番目の鑱鍼(ざんしん)は熱病に浅く刺して陽の
気を取ると書かれている。二番目の員鍼(えんしん)は、やや深く肌肉
(きにく)を刺す。三番目の鍉鍼(ていしん)は、脈に刺す。 四番目
の鋒鍼(ほうしん)は、経絡や五蔵を刺す。五番目の鈹鍼(ひしん)は
排膿をする。一番目から五番目までを全部眺めてみると熱がどこにある
かによって鍼の種類を変えているということがわかる。熱が体内に侵入
していくというのを想定した上でこの五つの鍼が作られているのではな
いかと私は仮説を立ててみた。『素問』『霊枢』の中に出てくる寒熱の
観念がおそらく、九鍼の背景にあるのであろうというのが私の考えであ
る。六番目の員利鍼(えんりしん)が問題になる。
『九針十二原篇』や『官針篇』では「暴気」「痺気暴発」を取るとなっ
ていて、『九針論篇』では膿を取るという表現が出てくるが、元々のも
のは熱とか膿とかを取るのでは無くて、しびれとか気の発動について効
果があるという風に考える。 
 七番目の毫鍼(ごうしん)はしびれ、痛痺に関するもので寒に属する。
 八番目の長鍼はしびれ、痛みの原因と
なる寒というものが深いところ
に出てきた場合、深く刺してそれを取る。
 九番目の大鍼は関節の水を取る。おそらく、第六鍼(六番目)から第
九鍼(九番目)までは寒熱に関する寒に使う方と考える。痺れというの
は、中心になるのは寒と湿であるから。第六鍼(六番目)から第九鍼
(九番目)は、痺れ痛み、気に関するもの、寒に関するもの。第一鍼
(一番目)から第五鍼(五番目)までは熱に関するものという風に考
てみた。

 これからも『霊枢』の九鍼の経文をよく研究する、あるいは九鍼の中
身というものを、どういう背景になって出てきたのかを十分研究する必
要がある。なぜならば、今私は一つの解釈として九鍼には寒熱の観念と
いうのがあるというふうに仮説をたてたのであるが、もっと解釈を続け
ていくと、もっと違う結論が出る可能性はある。だから解釈を続ける必
要はある。しかし今、普通巷間に言われている『類経図翼』などに出て
いる九鍼を今のこの時点で復活して、それを使いこなせばいいかという
と、それは単なるロマン以上には、恐らくはならないと思う。

◇六元正紀大論篇第七十一 
 第四十八章~第五十三章 第五十二章より抜


 この章では、六つの気がそれぞれ極まった時に起こる状態と、それを
抑えるために出てくる気が起こす状態について述べている。 
 厥陰の気(大寒~春分)が来ると、飄怒、太涼(ひょうど、たいりょ
う)となる。(飄怒という表現は前例が無く、注解者は飄風【ひょうふ
う】と読み替えている。飄風は、つむじ風である)木の気が盛んになり
つむじ風が吹く。木の気を抑えるため金の気の太涼となる。 
 少陰の気(春分~小満)が来ると、太暄、寒(たいけん、かん)とな
る。非常な暑さ、火の気の働き過ぎを抑えるために寒の気が出てくる。 
 太陰の気(大暑~秋分)が来ると、雷霆、驟注、烈風(らいてい、し
ゅうちゅう、れっぷう)となる。雷が鳴り、はげしい雨が降る。土の気
を抑えるために木の気が働き烈風が吹く。
 少陽の気(小満~大暑)が来ると、飄風、燔燎、霜凝(ひょうふう、
はんりょう、そうぎょう)となる。熱の働きにより、つむじ風が吹き、
そして暑い。それらを抑えるために水の気が働き、霜、水が堅くなって
氷ってしまう。
 陽明の気(秋分~小雪)が来ると、散落、温(さんらく、おん)とな
る。風に吹かれてものが落ちる。秋になって葉っぱが落ちるのは金の気
の働きである。他の季節でも葉っぱが落ちるのは金の気の働きである。
金の気を抑えるために火の気が働いて温める。 
 太陽の気(小雪~大寒)が来ると、寒雪、氷雹、白埃(かんせつ、ひ
ょうはく、はくあい)となる。寒くなって雪が降って、氷や雹(ひょう)
が降る。水の気を抑えるために土の気が働き、土ぼこりが起こる。

:D次回は、六元正紀大論篇第七十一 第五十四章からです。
 何かを始め
るのにいい季節かもしれません。
 皆様のご参加をお待ちします。 
            (素問勉強会世話人 東大阪地域 松本政己)