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素問

4月 素問勉強会2015.05.17

●日 時:平成27年4月12日(日) 
●会 場:大阪府鍼灸師会館3階
●講 師:日本鍼灸研究会代表 篠原 孝市 先生

 
◇『医道の日本誌』2015年4月 臨床に活かす古典 「№36 補瀉」のお話より
 
補瀉の原型というのは、『霊枢』の九鍼十二原篇の中に出てくるものが原型になります。
『虚するは、すなわちこれを実し、満つればすなわち、これを泄す。宛陳(うっちん)すれ
ば、すなわちこれを除き、邪勝つは、すなわちこれを虚せしむ』 血が滞っている場合は血
を取り、それ以外は虚実を補瀉する。虚したものは補い、実したものは瀉して、その他のも
のは瀉血をすればいいということですね。
 『素問』『霊枢』『難経』は三つとも鍼の本であって、お灸のことはわずかしか書いてい
ない。お灸の補瀉というのは、わずかに『霊枢』の背腧篇に、もぐさを焼いて息を吹きかけ
て早く燃やすのが瀉法、そのまま燃やせば補法になるとある。ほとんど『素問』『霊枢『難
経』に記述のある補瀉に関しては鍼の補瀉であるという風になる。補瀉というのはあくまで
も鍼を刺すための手技である。虚実を前提にして鍼をどういう風に刺すかという時に補瀉と
いうのがあるのであって、お灸の補瀉というのは、おそらく鍼法のそれを伍して、お灸の方
でも補瀉が無いといけないのでは、ということで作られたものだと思う。
 『難経』は、七十八難に補瀉の手技が出てくるだけで、『素問』や『霊枢』のように補瀉
を手技によって行うということは、ほとんどしていない。これは、『難経』という本が虚実
に対して補瀉を手技で行うということに関してほとんど関心がなかったというところに関係
があると思う。むしろ『難経』の関心というのは、補瀉というものを行使する虚実という病
の状態を構造化するというのか、虚実というものを虚の状態と実の状態ということだけでは
無くて、五行説を取り入れ、これを五行的に構造化するということに関心があったと思う。
 『難経』六十九難の有名な『虚せば、その母を補う。実すれば、その子を瀉す』という治
療の定義みたいなものがある。これはいわゆる選穴の補瀉と言われているものである。補瀉
の手技をやるのではなくて、虚実の虚という状態がどういう状態かというのを見て、肺が虚
していれば、脾を補う。つまり、肺が虚しているということは肺と脾が虚してるということ
であるが、そしてその背景に肝が満ちているという状態があるという風に構造的に見ていて、
肺が虚してるというのを見る時は、肺と脾を補って肝を瀉せばいいという、そういう構
造化
をするというのが『難経』のテーマなんだと思う。

◆六元正紀大論篇第七十一 
 第五十四章~第五十五章 
 
 この章の六気の記述は、三陰三陽の順の並びで構成されており、一年の中で巡りくる順番
とは異なり、太陰の気(四の気)と少陽の気(三の気)の順が入れ替わっている。厥陰の気
(初の気)は、風證 少陰の気(二の気)は、火熱の證 太陰の気(四の気)は、濕土の證 
少陽の気(三の気)は、火熱の證 陽明の気(五の気)は、燥金の證 太陽の気(終の気)
は、寒の證をそれぞれ生じる。

第五十四章より
 厥陰の気(大寒~春分)が来ると、裏急(りきゅう)、腹部に疼痛が起こる。
 少陰の気(春分~小満)が来ると瘍胗(ようしん)、熱の症状のできものが出来たり、た
だれたりする。身熱、からだが熱くなる。
 太陰の気(大暑~秋分)が来ると、積飮(しゃくいん又はせきいん)、水湿の停滞。否隔
(ひかく)、ものが通じない状態になる。
 少陽の気(小満~大暑)が来ると嚔(てい)と嘔(おう)、くしゃみと嘔吐を起こす。瘡
瘍(そうよう)が出来る。 
 陽明の気(秋分~小雪)が来ると浮虚、軽い浮腫、押さえて少
ししたら盛り上がってくる
浮腫となる。 
 太陽の気(小雪~大寒)が来ると屈伸不利、寒の
症状、拘急になる。寒は体の動きが悪く
なる。これが六気と疾病の一般的関係の第一種であ
る。

第五十五章より
 厥陰の気が来ると、支痛(しつう)脇の部分がつっぱって痛む。
 少陰の気が来ると驚惑(きょうわく)、慌て戸惑う。悪寒戦慄、悪寒してぶるぶる震える。
譫妄(せんもう)、妄想的なことをしゃべる。
 太陰の気が来ると、稸滿(ちくまん)、水湿が溜まっていき腹が水腫のように大きくなる。 
 少陽の気が来ると驚躁(きょうそう)、精神の不安。瞀昧(ぼうまい)、意識混濁。暴病、
突然の発病。
 陽明の気が来ると鼽(きゅう)、鼻づまり・鼻水あるいは鼻出血の症状が出る。尻・陰股・
膝・髀(ひ)・腨(せん)・䯒(こう)・足、足の陽明胃経の部位に病が起こる。 
 太陽の気が来ると、寒の症状の腰痛となる。これが六気と疾病の一般的関係の第二種である。

:D次回は、六元正紀大論篇第七十一 第五十六章からです。『素問』は、おもしろいです。
 皆様のご参加をお待ちします。 
                    (素問勉強会世話人  東大阪地域 松本 政己)