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10月素問勉強会/至眞要大論篇第七十四注 第一章~第三章2015.11.19

●日 時:平成27年10月11日(日) 
●会 場:大阪府鍼灸師会館3階
   
◆講 師:日本鍼灸研究会代表 篠原 孝市 先生

●『医道の日本誌』2015年9月・10月 臨床に活かす古典 
 「№41 治療その1,№42 治療その2」のお話より
 臨床の理論というのは歴史研究や文献研究をしているのではない。臨床の研究というのは
たとえば今、患者さんがいて頭が痛いと訴えたとすると、それをどういう風に治療するかそ
こから始まるもので、一番単純な治療は頭痛を治す特効穴にお灸や鍼、或いは置鍼をする事
である。たとえば委中穴の瀉血、足の太陽膀胱経に置鍼、天柱穴や風池穴に置鍼などがある。
もちろん経絡を使った遠隔治療をする人も居るし、左が悪ければ右に治療するというような
事もある。治療にはそういう方法もあるが、症状に捕らわれないで体全体をつかもうとした
らどういう風につかめばいいのだろうか、というような問題意識から経絡治療は出発してい
る。「素問・霊枢・難経を読みすべての知識が入ったので、では何かしましょう」というの
とは全然違うものである。そもそも素問、霊枢、難経をまず最初に全部読んで治療ができる
わけは無い。矛盾した全体であるから始めから出来ない。だが実際に臨床をする人には、今
まで長い間みんなにまず出発点というものはあった。では体全体をつかむにはどうしたか。
一番単純なものは、体中を触るということで圧痛点を探しながら触るというもの、もう一つ
は脈診というものがある。脈診ももちろん経絡をとらえる脈診と、体全体を脈の病証として
捉えるというのがあるから一通りでは無いが、そういう方法がある。他には比較的時代が新
しいものとして、腹部を触る腹診や望・聞・問という方法がある。
 経絡治療の人たちは、経絡で全身を捉えるということにある意味入れ込んだ。
 『脈經』を読んで脈診ができるとは思わない。脈診を実施していて脈經を読むと、非常に
参考になる部分がある。どういう脈診であっても、脈診をしていて脈經を読むと、非常に資
すべきところが多くある。脈經を活かすには、臨床をすることで持つ問題意識と、正確に文
献を読むということの両方が必要になってくる。適当に文献を読んでいたら経絡治療の枠で
全部解釈してしまって、これはもう文献を読んでいることにならない。文献は文献として正
確に読む。しかし問題意識は臨床から得られるものだという風に私は思っている。

●至眞要大論篇第七十四注 第一章~第三章
 ここから新しい篇になる。 
 至眞要大論篇のタイトルについて「至」は極まるという意味、「眞」は天眞のことで純粋
な氣、真の気、重要なものという意味である。馬玄臺(まげんだい)は、この篇について非
常に真実そのもの、非常に重要な部分なのでこの名前がついていると言っている。張志聰(
ちょうしそう)は、この篇について六気論を中心に論じているという事を書いている。そし
て至眞とは、年の前半と後半をつかさどる天地の気のことを指していると言っている。

第一章より
 *第一章は序論である。
 黄帝はこのように問われた「五運が交合し気がたくさんになったり(太過)少なくなった
り(不及)することをすでに知っている。六気は一年間を六つに分けてそれを司っている。
年の前半を司るもの(司天)と後半を司るもの(在泉)が各季節に巡ってくる時にどのよう
に作用するのか」
 岐伯は二回頭を下げて答えた「なんとまあ素晴らしい問いかけでしょう。年の前半を司る
もの(司天)と年の後半を司るもの(在泉)の大きな法則が人間の体の神気というものと対
応しています」
 帝は言われた「聞かせてくれないか。天気は陽に対応し、地気は陰に対応しているとはど
のようなものだろうか」岐伯は答えた「陰陽の道は天地の法則性を研究する者にとって色々
と問題意識が起こるものです」と。

第二章より
 *この章は司天を論じる。一年間を六つに分けて一番暑い60日間(第3期または三の気)
を司天、一番寒い60日間(第6期または終の気)を在泉といっている。第1~3期を代表する
のが第3期(司天)であり第4~6期を代表するのが第6期(在泉)である。
 黄帝は言われた「六気のありかたというものを聞きたい」と。
 岐伯はこのように答えた「厥陰(けっちん)の気が司天にめぐって来ると、風という状態
の自然界の現象が起こる。少陰の気が司天にめぐって来ると熱という状態が起こる。太陰の
気がめぐって来ると濕という状態で、主に雨が降る。少陽の気が司天にめぐって来ると火、
火熱なので熱と同じ。陽明の気が司天にめぐって来ると燥、乾燥する。太陽の気が司天にめ
ぐって来ると寒、寒くなる。」