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研修会&講座のお知らせ

28年度 第8回学術講習会報告22017.04.07

講演2 「若年性認知症、地域で支えていくために」

      講師:大阪狭山市若年認知症家族の会「さくらの会」代表

                        坂元 博行 先生 

        (サポーター)(公社)大阪府鍼灸師会河南地域会員

                        井尻 志郎 先生
 坂元博行講師は、奥様が若年認知症にかかり、介護施設でも初めは理解
されなかったという経験を話された(既に他界されている)。講演は、『D
VD BOOK 認知症の人とともに』 (永田久美子監修、沖田裕子編著、
クリエイツかもがわ、2016 )を区切って放映しながら、要点をまとめ
たスライドで説明を追加される形式で進められた。

 46歳の時に「認知症」と診断されたオーストラリアのクリスティーン
・ブライデンさんは8年後の2003年に初めて訪日し講演をされた。や
がて、日本人にも若年認知症を公表する人が現れた。映像をみると、しっ
かりした口調で話されているが、話した後どんどん忘れていくので、話す
前に、内容を書き出しておくという。

 記憶とは何か?

  ①覚える

  ②記憶を保持する 

  ③記憶を呼び起こす、からなる。

 認知症とは、

  ①意識障害がない

  ②記憶障害の存在 

  ③記憶障害以外の認知機能が一つ以上障害されている。

 記憶障害以外の認知機能とは、

  ①時間・場所の見当識障害 

  ②実行障害・遂行障害 

  ③失語 ④失行 ⑤ 失認 を指す。

• 障害は生まれつきのものではなく、いったん獲得した後に低下する事 

• 脳の神経細胞が失われたり、脳機能(働き)が低下 認知症は、さまざ
 まな病気が原因で起きる「症状」である。 

 原因として、アルツハイマー病・脳卒中・ピック病など約70種類以
上あり、脳の病気などによって、認知機能が低下して、 様々な症状が現
れ、生活に支障が出ている状態と定義されている。

 

若年性認知症の特徴と課題 

・発症年齢が若い(64歳以下の発症をさす)。男性に多い。異常には気
 づくが、認知症と思われず、受診が遅れる。発症症状が、認知症特有で
 はなく、診断しにくい。経過が急速で、BPSD(行動・心理症状:
周辺
 症状)が目立つ。

  経済的な問題。親の介護と重なる。複数介護となることがある。子供
 の教育・結婚など、家庭内での課題が多い、などである。
 

若年性認知症の支援、制度として、 

・介護保険を利用するよりも前に経済的な公的支援が必要である。

 ①精神障害者保健福祉手帳 

 ②障害年金 

 ③自立支援医療「精神通院医療」がある。

・ 制度利用には、初診日が重要となる。  

 

地域のサポート 本人・家族の相談  

 「自分の居場所は、ここだ、というサポートをしてあげれたら」

本人のためのサポート「Living with Memory Loss Program」 

 在宅サービス 施設サービス 地域密着型サービス 

 地域の居場所 ~ 認知症カフェ、家族会、介護者の会 などがある。
 

地域で支える 

• 「さくらの会」 

• 「おれんじパートナー(認知症ケアを推進する会)」 

 

坂元さんの心に残った言葉 

 「苦しい時の一歩は心細いものですが、その一歩に新しい世界が開けます」 

丹野智文さんの言葉 

「認知症になって 不便ではあるが 不幸ではない」 

 

認知症についての『新オレンジプラン「七つの柱」』が定めらている。

若年性認知症についての知識は、認知症そのものの理解に欠かせないこ
とがよく分かった。       (学術委員会委員長 三木 完二)