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研修会&講座のお知らせ

平成30年度 第3回学術講習会報告②健康支援における鍼灸師の役割とスポーツ鍼灸ボランティア活動2018.10.26

■日時:平成30年9月9日
■会場:大阪医療技術学園専門学校

【講演2】「健康支援における鍼灸師の役割とスポーツ鍼灸ボランティア活動」
 講師 吉野亮子先生

 講師の吉野亮子先生は大阪府鍼灸師会の会員であり、スポーツ鍼灸プロジェクト委員会の委員として活動されていて、10年前に鍼灸院を開業するも現在は関西大学大学院の人間健康研究科の学生として他職種の方たちと一緒に学んでいる。

 鍼灸師の特徴として、勤務形態では個人開業がほとんどで、2000年に調査した結果103の流派・諸派があり、自由診療ができることである。しかし、鍼灸の認知度は低迷をしていて、鍼灸の名前は知っていても効果までは知らない、ネガティブな印象、「鍼は痛い」「灸は熱い」「費用が高額」や鍼灸師が国家資格であることすら知られていないこともある。鍼灸発展のための研究の成果をトップダウンできないことや個人開業の臨床経験や活動報告が活かされることから鍼灸普及のためのボランティア活動に力を入れだされた。

 鍼灸の効果に痛みの緩和や除去、傷害(外傷・慢性の痛み)予防、コンディショニングが挙げられるが、普段のコンディショニングに活用を考えて①メタボリックシンドローム予防②生活習慣予防③生活の質の改善④加齢による生活機能低下の予防。予防重視の取り組みとして鍼灸師としての健康支援をするが、一個人として介護予防運動指導員としての活動は、鍼灸師の介入する場がすでになかったり、市区町村での温度差があり活動が思うようにできなかったりという状態であった。

 最近の都市型マラソンの普及とは反対にコンディショニング、日頃の練習や準備期間ができない中で大会に参加し、スポーツ障害に繋がることが予想され、マラソン大会でのボランティア活動に参加されるようになられた。

 大阪マラソンは第2回から大阪府鍼灸師会がボランティア活動に参加しており、問診後、ストレッチ・パイオネックスゼロ貼付を施術され、活動内容の統一とチームワークのため、事前研修が開催される。去年の第7回大阪マラソン大会でのボランティア活動の結果を問診票・施術内容・アンケート結果により成果と問題点を分析され、今後の鍼灸普及への問題が表面化したように思えた。

 例えば
・問診票とアンケート票が別紙のため、同一人物の特定ができないので、調査票の再構築が必要。
・一人5分ほどの時間内での施術のため、詳細な施術内容の記載が難しいが術者への調査の重要性。
・ブース利用がリピーターであるのに、34.6%に鍼経験がないと答えていることの矛盾。
・刺さない鍼の非同意は22%なのにパイオネックス利用が23%しかない。
・ケアに対する満足度では満足・ほぼ満足と答えているのに、日頃のコンディショニングに鍼灸を利用したいか?の問いに思案中が多いことから、「ストレッチが良かった?と思っている」と吉野先生らしく、苦言を呈しておられた。
・調査結果から都市型マラソンが普及する中で練習不足・練習方法の問題による故障が懸念されていたことが問診票から明らかになっていた。
 
 考察では鍼灸の普及が目的であるならば、パイオネックスの使用を積極的に実施すべきである。このような活動は、すぐにできるものではない。研修と活動参加によって、構築されるものである。

 個人開業鍼灸師の取り組み、業団の取り組みの集積と可視化が必要。これらには些細なデータを挙げていくことが大切で活動の一方通行ではダメで、実益を挙げていきたいとも言われていた。
 
・鍼灸師会の先生方、学生の方へ
 今年のボランティア活動を募っておられます。普段は臨床の治療家の先生方が各々の治療法でされていますが、同じ治療法で、それぞれ得意な分野を出し合って、チームワークで活動されます。是非、ご参加ください。

(報告:研修委員 思川 裕子)