公益社団法人 大阪府鍼灸師会

研修会&講座のお知らせ

令和4年度第3回(10月度)学術講習会報告


【日時】令和4年10月9日(日) 13:30~16:45 学術講習会(ハイブリッド開催)

・学術講習会(ハイブリッド開催)
 ①「コロナ後遺症治療における鍼灸の重要性」
  講師:平畑 光一 先生(ヒラハタクリニック 院長)
 ②「後遺症に対する鍼灸治療の可能性」(実技供覧)
  講師:清野 充典 先生(清野鍼灸整骨院 院長)



講演①「コロナ後遺症治療における鍼灸の重要性」
講師:平畑 光一 先生(ヒラハタクリニック 院長)
「コロナ後遺症治療における誠灸の重要性」について登壇していただいた。結論から言うとコロナ後遺症には誠灸にはかなり効果が期待出来る。医者だと「不定愁訴」と診断する症状を誠灸では得意分野だ。鋪灸師は看護師よりウェットな問診への対応力が圧倒的に強いから誠灸師の役割に向いている。

 日本のコロナ後遺症患者数は2022年10月3日現在で、214万人。その人数を後遺症外来だけで治療できないからこそ、鋪灸院も含めて対処していく必要がある。

 感染後、約91%は症状が治まることはなく持続する。特徴的な症状としては、労作後の重度の疲労感が長期間続くなど、強い倦怠感を感じる『筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労性症候群(MF/CFS)』が見られるが、新型コロナ後遺症の一部の患者はこれに移行してしまうという。

 診断で一番注意しなければならないのは、PEMだ。PEMとは、軽い労作やストレスの後5~48時間後に急激に強い倦怠感他の症状が出てしまう状態のことをいう。よく「身体がだるしりと訴えると運動不足と診断されて運動を勧めてしまう医者がいるが、もしPEMだったら逆に運動は避けなければならない。そのまま運動を続けるとクラッシュ(許容量を超えた運動、ストレス、3日間以上寝込んで動けなくなる)にもなりやすいのでぺーシング(自分の状態を観察しながらペースを調節する)が大事になる。

 日本でのコロナ後遺症への対策は海外に比べて非常に多く、
 1.漢方治療
 2.上咽頭擦過療法
 3.鼻うがい
 4.呼吸リハビリ
 5.酸素療法
 6.BCAA(分岐鎖アミノ酸の略称)の摂取
 7.亜鉛の摂取

 などが挙げられている。特にご家庭でできる「鼻うがい」は鼻うがいの器具と塩と水があればできるのでオススメ。

もしコロナ後遺症の方が来院されたら、コロナ後遺症の疑いも視野に入れて対策や施術をして欲しい。

(研修委員長 藤下知修)



講演②「後遺症に対する鍼灸治療の可能性」(実技供覧)
講師:清野 充典 先生(清野鍼灸整骨院 院長)
コロナ後遺症に対する銀灸治療の可能性、と言う演題でしたが先ずその前段、ワクチン接種前、後の誠灸治療についてもお話頂きました。
治療は接種目の前後一週間を対象期間とし、接種前、当日、接種後を推奨しのべ約457人来院し平均2~3回の施術。
接種前は、精神安定体力増進を目的。
接種当日・接種後は免疫力向上を目的。
治療後は、接種の副反応について無症状、当日~翌日くらい発熱
翌日~3日くらいまでの腕の痛みが多い印象。
長期にわたる体調不良は確認出来ていないそう。
尚、接種後1時間以内に治療するとよいそうです。

【症例】
78歳女性 過去3回接種
1、2回目 ファイザ一 発熱38度
3回目 モデルナ発熱38.5度
8月27日、ファイザ-4回目接種予定
副反応回避目的で26日受療。
接種後1時間以内の治療を勧め合わせて2団施術。
肺食→腎食→肝食→中都の順に五行の相生を重んじるように、0.5センチの文娃で炎型、知熱九分灸を各3壮
結果、平熱36度台前半が37度に上昇したが他に症状なしの報告。

コロナ後遺症に対する誠灸治療
清野先生のコロナ後遺症の定義
①現在つらく感じている症状で新型コロナウイルス感染後から発症した症状
②以前からある症状が感染後に明らかに増悪した症状

治療としては、清野先生独自の予診票、評価表を基に
誠灸、於血吸圧治療(吸い玉)
養生(ょうせい)治療とは(予診票を基にした日常生活改善)のこと

治療方法はいくつかありましたが、実際に取穴・施術したものを一つ

伏臥位困難なため横臥位で
経穴肺食、腎食、肝食、子L最、水泉、中都、壇中(疲)、天枢(便秘)
0,5センチの文娃で炎型
知熱灸九分3壮肺食、腎食、肝食、孔最、水泉、中都
透熱灸壇中7壮天枢3壮

主な自覚症状と寛解までの施術回数
1 咳・喉の痛み     10~15回
2 疲労感・倦怠感    5~15回
3 集中力低下・頭のぼんやり感 15回
4 頭痛         15回
5 味覚障害 5回で緩解できた者 1名
6 味覚障害 治療するも効無し
7 脱毛・髪のパサっき  10回
8 息苦しさこの症状については20回で漸く三分のーまで軽減

コロナ後遺症に対する治療の印象
①従来同様の症状で来院された患者と比べると治療回数を要する。
②一旦症状が軽くなっても繰り返す印象
③誠治療よりも灸や於血治療が有効な印象

実技も有りましたがコロナ後遺症に対する治療ではなく一般治療でしたので割愛させていただきます。
コロナの後遺症についての研究もまだ2年足らずで手探り状態ですが、鋪灸治療が有効ではないかと思える講義でした。

(研修委員 中川欣久)


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